損益分岐点を理解しておくと、上司や経営者に「コ、コイツ、できるぞ!」って驚かれるかも⭐️
損益分岐点というのは、収入と出費が同じで、利益がちょうどゼロになるポイントの事を言います。これはビジネスがうまくいっているかを見るために大切な数字なんです。
損益分岐点、これをBEP(break-even point)とも言います。なんでもかんでも横文字にしやがってバカヤローがよ!!と個人的には思いますが、横文字が好きな”イキりコンサルかぶれ”の人も少なくないので、覚えておいて損はないです。ビジネスで使うお金と収入が±でちょうど利益がゼロになっているところがBEPなんです。
この損益分岐点(BEP)を超えると、企業は利益を出すようになります。逆に、売り上げが損益分岐点(BEP)より下がると、赤字と言われます。
まずは知っておくべき、自分自身の損益分岐点
ここを自覚しているかいないかが、まずは大きく社会人で差が付くポイントです。お給料もらうと嬉しいですよね。私も嬉しいです。さて、自分自身はいくら稼げば損益分岐点を超えるのでしょうか。自分が赤字社員なのか黒字社員なのかを知る。世の中の全ての経営者は、心の中で、こう叫んでいるらしいです。「給料分の働きをしているかどうかは自覚してくれ!!!」と。ちなみに、そんな経営者の多くには、こういった反論が有効かもです。「だったら、明確でわかりやすい評価基準を示せ!」
何が言いたいかと言うとですね。社員一人一人の損益分岐点が自分自身、及び、経営者が理解してない場合が少なくないという事です。当然、そういった会社は経営も不安定です。経営者も従業員も損益分岐点を知るという事は、安定した経営をするために超ド級に必要な事なのです。
自分の損益分岐点は、どう理解する。
まずは、わかりやすい営業職からいきましょう。営業とは、お仕事をとってくる職業です。つまり、お金を直接GETしてくる営業職は、比較的に自分自身の損益分岐点がわかりやすい職業になります。
まずは、会社からお給料と支払われるのは経費です。お給料は会社にとって支出にあたります。
そして、営業が稼いでくるお金が売り上げです。ここで、自分のお給料が35万円だから、売り上げ35万円分を稼げば損益分岐点だよね、と考えてはいけませんよ。収入と支出が均衡してるのが損益分岐点と、一見シンプルなのですが、社員のお給料というのは実に複雑に作り込まれてるのです。
弊社の月次決算から損益分岐点を見てみる。
複雑なお給料を理解する前に、まずは会社の損益分岐点から、弊社(株式会社セブンコード)の2023年9月の月次決算を例に出したいと思います。
売り上げは39,305,000円です。注目するべきは支出です。固定費はその名の通り、毎月「変わらずに減っていくお金」です。家賃・人件費・税理士、社労士等の有資格者の報酬、光熱費やサーバー代等も含まれます。この月に関して言えば、損益分岐点は支出と同額の37,711,000円となります。それを収入が超えているので1,594,000円の黒字となるわけです。
変動費は、主には仕入れ代、広告費です。弊社にWEB広告運用の依頼が1000万円あったとします。手数料が10%ですので1100万円を請求します(今回はわかりやすくするために、消費税は省くね)この場合は、100万円が売り上げで、1000万円が広告仕入れ代です。これは毎月、取引先の要望で変わっていくので「変動費」になります。
では、自分のお給料を明確にしてみましょう。弊社の新卒2年目エンジニアの給料明細を例に出してみたいと思います。
弊社社員の給料明細から損益分岐点を知る。
もらって嬉しいお給料ですが、会社としては「実は抑えたい重たい経費が、お給料である人件費」であるんだよと、頭の片隅に入れておきましょう。
固定給となるのが、固定費です。変動費がインセンティブです。上記ですと開発手当がそれにあたりますね。特に注目すべき点が保険代です。
給料合計が348,589円となっております。ここから社会保険(健康保険+厚生年金)を合わせて、約5万円も引かれてております。なかなかなインパクトで悲しく思いますが、実はですね。この社会保険は同額分をさらに追加で会社が負担しているのです。
つまり会社側が支払う人件費は35万円と思いきや、会社負担の厚生年金・健康保険(通称:社会保険)が5万円分乗っているので実に40万円が経費(人件費)となるのです。じゃあ、40万円分を稼げは損益分岐点を超えますか?となると違うのです。さらに交通費、上司の人件費、自分のデスクスペースがある場合は、そのデスクスペースの家賃が一人当たりの社員にかかる「固定費」にあたります。
業種によって大きく変わりますが、一般的には「自分の給料の3倍は稼ぐ」と正常であると言われます。経営指針の一つで人件費率と言われているのですが、30%が正常値です。つまり30万円のお給料の人が100万円の売り上げを上げて、やっと正常であり、損益分岐点と言えるのです。ちなみに上場企業だと人件費率15%と言われてます。これは30万円のお給料の人が200万円を売り上げていかないと、株主に袋叩きにされてるって事を意味します。
上場企業は人件費率が少ない分、損に思うかもしれませんが、経営が安定していて、知名度や信用度があるので売上を上げやすい十分なメリットがあります。
先ほども人件費率は業種にもよると話しましたが、上記の弊社の月次決算を見ると人件費率が64%となっています。通常より従業員への還元率が良い会社とも見えますが、その分、利益が少ないので、経営が弱いとも言えるわけです。
自分が働く会社で自分自身の損益分岐点を理解し、それ以上に働くと優秀とみなされ昇給の可能性が高くなるわけです。また、事務員等で、直接に売り上げに関わらなくても「私が損益分岐点を超えるにはどれくらいの仕事をしたら良いでしょうか」と質問すれば、間違いなく経営陣には「できるヤツ」認定されます。ただ、卑屈な同僚がいるとやっかまれるかも?
社会保険を給料から全額を引くのではなく、半分が会社負担という数字のマジックを作った人間は「天才的な悪魔だ」とウチの社長が言ってたわ。会社としては払う金額は同じなんだけど、給料から引かれる金額を少なく見せるミスディレクションを意図的に発生させてるらしいわ👿
応用編:変動費で経営が決まる!
ITパスポートの範囲外になりますが、こちらは応用編。安定した経営には「固定費をいかに減らすか」というのが重要視されています。固定費は簡単に削れないため、不景気になると一気に赤字経営まっしぐらになります。つまり「固定費をいかに減らすか」とは「固定費をいかに変動費に変えるか」とも言えます。
そのため、大手企業は重たい経費である「お給料という固定費」が増える正社員雇用をするよりも、派遣社員を起用したり、アウトソーシングに外注し、いつでも「切れる」ようにしている所が一般的です。また、フランチャイズや代理店制度を導入し「成果報酬型」として運営する手法があります。こちらは正社員のみで運用するよりも報酬が高くなるので利益率が低くなる反面、景気の変動に強く安定した経営ができるメリットがあります。
弊社の給料明細も固定費を少なめにして、開発手当という頑張った分だけ稼げるインセンティブ(変動費)を導入しています。変動費を導入してるため、お給料の還元率が高くできるという仕組みでもあります。
みんなが大好きボーナスも実は変動費なのよ。業績が悪くなると固定給は下げられなくてもボーナスはカットできるからね⭐️
変動費に関する企業同士の攻防
飲食店等の仕入れは変動費ですが、これを毎月固定で決まった数だけ仕入れるから安くしてくれ、という交渉はよく見かけます。卸業者からすると毎月に決まった金額を仕入れてもらえるので安定した売り上げが立つ代わりに安くできるという事です。仕入れ業者は毎月決まった金額を仕入れるという約束はリスクにもなります。だから、安くしてって事ですね。
変動費を制するものは経営を制す!なんてね⭐️
損益分岐点はマジで大事な指標だよ。
ちなみに、少子化で問題になっている日本の大学に関する現状です。広大な敷地に、大きなキャンパスがあるという事は固定費はとても高額です。つまり大学の損益分岐点はエベレストのように高いのです。大学の収入の多くは学生の授業料です。お気づきです?毎年、入学してくれる学生数が少子化のせいで減っていくと大学がバシバシと潰れてしまうのです。なので、人気が少ない大学は、試験の学力が低くても合格して入学してもらわないと倒産してしまうのです。
少子化が進むという事は、授業料を値上げしないと確実に大学は潰れていくという事になります。でも、景気がよくないと現実的に授業料が上げられない。そんな中「平等に勉強できるように大学授業料を無料にしろ!」という声が上がっていますが、実は、それは潰れそうな大学が政治家にロビー活動を必死にしてるとか、していないとか。
損益分岐点を起点に物事をみていくと、色々な事実が見えてくるので、本当に本当に大切な指標なんだよ。
ちなみに、このページを作るのにも、もちろん損益分岐点は意識してるのよ。
損益分岐点に関するITパスポート試験の過去問はコレだ!
Q, ある製品の今月の売上高と費用は表のとおりであった。販売単価を1,000円から800円に変更するとき,赤字にならないためには少なくとも毎月何個を販売する必要があるか。ここで,固定費及び製品1個当たりの変動費は変化しないものとする。
ア、2,400個
正解:オ
イ、2,500個
ウ、4,800個
オ、6,000個
解説:赤字にならないために必要な販売個数を知りたいので、利益ゼロの売上高である損益分岐点売上高を求めることになります。
現在1000円の販売価格で変動費(仕入れなど)が700円なので、一個当たりの利益が300円です。現在は2000個売るのが損益分岐点となります。 これが販売価格を800円に200円値下げするということは、利益が300円から100円になります。100円の利益で60万円分を稼ぐには6000個必要となるわけです。 こういった値引きはお店の10周年記念とか年末年始キャンペーンなど、PRを兼ねた企画の場合が考えられますね。または、誰かが発注数をミスったのか。うぇ〜 考えたくない。。。
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